|
2008年 05月 22日
私は、死のうと思った。
最初は小さな、本当に小さな違和感でした。それがどんどん肥大していって、やがて高熱をだして倒れてしまって。 次に目が覚めた所が今の病室でした。お父さんとお母さんが私の手を握っていてくれたあの暖かさは忘れることができません。 それからも、私は何度も高熱を出しては意識を失い、その度に両親は仕事を放り出して私の病室に駆けつけてくれました。 すごく、怖かった。 私が死ぬという現実にじゃない。 それは一瞬だったのか、いつからだったのか。 私は見てしまいました。お父さんの疲れきった顔を。お母さんの苛立った顔を。 そう、きっと一瞬。でもそれは永遠に私の眼球に焼き付けられる。 もう駄目です。 お父さんもお母さんも、本当に優しいから。 私のせいでかさむ治療費、私のために消費されていく時間。 私がどんな重荷だろうと、きっと両親は私を背負ってしまう。 その優しさが、すごく怖い。 だから、私は死のうと思った。 こんなにも優しい地獄なら、本当の地獄のほうがずっと良い。
by w_h_o
| 2008-05-22 07:08
| 月の煙
|
ファン申請 |
||